EXとCXのツインリンク
事業(なりわい)変革と両輪で組織文化の変革も不可欠
企業が「なりわい」革新を実現するためには、従業員が近未来の「ありたい姿」=「ビジョン」で宣言された新たな体験的な価値を持続的に生み出し続ける必要があります。
組織文化を刷新するためのインターナル活動には、
1)見える化…「理念」や「ビジョン」に対する従業員の認知や理解の促進
2)自分ゴト化…従業員の心理的コミットメントの形成
3)行動化…従業員が一歩を踏み出す契機づくり
4)文化化…職場環境や人事制度の整備による組織文化の定着
という4つのステップが存在しています。
組織文化の刷新が上手くいくと、従業員の「熱量」が上がり、お客さま接点でブランドストーリーを熱く伝えるようになります。これがお客さまのディライト(感動体験)創出に繋がり、共感・支持→推奨・評価・共創というプロセスを踏んで企業に役立つ形でフィードバックされます。
この従業員体験デザイン(Employee Experience)とお客さま体験デザイン(Customer Experience)の連関を示した概念図が『EXとCXのツインリンクモデル』になります。
『EXとCXのツインリンクモデル』
『Power Session®︎』
「なりわい」創出のイノベーションプログラム 『Power Session®︎』
企業が「なりわい」を再定義するためには、近未来の「ありたい姿」=「ビジョン」を明確に描き出すことが必要です。組織文化の刷新のスピードを速めるためには、部門リーダーからなる組織横断のタスクフォースチームを招集し、丁寧に議論を重ねながら合意形成を進めることが経営陣に求められます。
「なりわい」再定義のためのイノベーション創出プログラムが『Power Session®︎』です。
『Power Session®︎』は以下のプロセスで実施します。
1)自社を取り巻くマクロ・ミクロの環境分析(SEPTEmber/5 Forces)を行う
2)自社が属する業種の「未来シナリオ」をお客さま視点で描く
3)企業のDNAやアセット(資産)の棚卸しを行い、「企業の意思」を明確にする
4)「未来シナリオ」に「企業の意思」を掛け合わせ、自社が掴むべき近未来の「ありたい姿」を決める
株式会社ディライトデザインでは、『Power Session®︎』の企画・設計からワークショップのファシリテーションまで一気通貫でサポートいたします。
「ありたい姿」のテンプレート
パーソナルコンピュータの概念を発明し、アップル社設立にも貢献したアラン・ケイの言葉。
近未来の「ありたい姿」=ビジョンをクリアに規定するためには、「どういうお客さまに対して」「どういう価値を提供
する」「どういう存在になるか」を文章完成法の形で整理して、組織横断で同意形成を図ることが重要です。「価値」や
「存在」の部分に企業の新しい「なりわい」につながる重要なキーワードが含まれています。
Orchestra
組織運営はサイロ型からオーケストラ型へ
「明日の組織のモデルは、オーケストラである。250人の団員はそれぞれが専門家である。チューバだけでは演奏できない。演奏するのはオーケストラである。オーケストラは、250人の団員が同じ楽譜を持つことによって演奏する」
『ポスト資本主義社会』(ダイヤモンド社)の中で、P・F・ドラッカーの名言として知られているこのフレーズは、組織がサイロ化し、情報が上から下にしか流れない中央集権(軍隊)型組織とは対極の、オーケストラ型組織の本質を見事に言い当てています。
お客さまに対して想像や期待を遥かに超えた驚きや発見というディライトなブランド体験を提供するためには、企業内部の組織や階層の枠組みを超えて、営業、企画、開発、マーケティング、管理など全ての部署の社員が知恵を絞り、全体最適の形で連携することが必須となります(こういった考え方を「オーケストレーション」と言います)。
最近では、プロジェクトに応じて専門的なスキルを持ったチーム(チャプター:支部)からメンバーが招集され、フラットで多視点型のチーム(スクワッド:分隊)を編成する「アジャイル型組織」(下図)が注目されています。
Lean & Agile
企業文化刷新はリーン(希薄)&アジャイル(迅速)に
伝統的な大企業であればあるほど、新たなサービスの導入にあたっては十分な時間とコストをかけて準備を行うものの、一旦導入が決まると大規模に展開し、仮に失敗しようものなら、そのプランは担当者ともども半永久的にペナルティボックスに入れられてしまう、というようなケースは少なくないのではないでしょうか。
エクスペリエンスデザインの考え方では、リーン(希薄)&アジャイル(迅速)に、が基本です。リーン・スタートアップという米国のIT企業で広く行われて来た手法を用い、最初は最小限のサービスから小さな規模でスタートし、実際のお客さまからのフィードバックを参考にしながら、高速で改善を繰り返します。
新しい時代の企業間の競争優位は、ヒト・モノ・カネなどの内部リソースや目先の市場シェアではなく、「学習能力の速さ」なのです。失敗を恐れるのではなく、失敗から何を学ぶかがより大切なのです。
こういった企業文化を根付かせるためには、経営トップの意識改革だけでなく、社員の自分ゴト化が必要になります。ディライトデザインでは、ブランド・組織・企業文化の三位一体の刷新のお手伝いもいたします。